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保険ドメイン深化

事故と保険金の支払 — 損害率という成績表

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一言でいうと

保険金の支払いは、受付・審査・支払いの手続きであり、その結果が、損害率と合算比率という成績表に集計され、再保険が大きな損害を分け合い、不正検知が漏れていくお金を防ぎます。

なぜこの知識が必要なのか

保険会社のIT要求事項の半分は、補償の側から来ます。「受付後3営業日以内に審査担当を割り当て」、「支払い遅延利息の自動計算」、「損害率ダッシュボードを商品・補償・チャネル別に」、「SIU依頼ルールの追加」。これらの言葉がどこから来たのかを知らなければ、画面は作れても、なぜそのフィールドが必要なのか、どの数字が間違えば事故なのかがわかりません。

受付・審査・支払い

Notice      The loss is reported, with claim form, medical certificate, receipts. The report date starts every deadline.
Adjusting   Is it covered by the policy, is an exclusion triggered, how much? Field investigation or medical review if needed.
Payment     The decided amount goes to the payee account. Paying past the policy's deadline adds late-payment interest.
Denial      Exclusion, breach of disclosure duty, or outside coverage. The reason must be notified; the customer may appeal.

審査中の案件には、個別見積額(case reserve)を計上します。いくら出ていくかを審査者が見積もった金額です。まだ支払っていませんが、会社の立場ではすでに発生した損害であり、損害率の計算の分子に入ります。

損害率と合算比率

loss ratio      = incurred losses ÷ earned premium
expense ratio   = expenses ÷ earned premium   (some use written premium as the base)
combined ratio  = loss ratio + expense ratio

経過保険料は、今回の期間に「稼いだ」保険料です。1年分を前払いで受け取っても、今四半期に稼いだのは3か月分だけです。発生損害額は、支払額に、まだ支払っていない見積額を足し、すでに計上してあった見積額が変わった分を調整した値です。合算比率が100%を超えれば、保険営業そのものでは赤字という意味で、資産運用収益で埋めなければなりません。料率の引き上げ・引受基準の強化・販売中止は、この数字で決まります。

この数字が集計される軸は、たくさんあります。商品・補償・チャネル・地域・事故年度。情報系で最も重い集計で、分母と分子の期間の定義がずれると、損害率が1%ポイントずつ動きます。「事故基準」なのか「報告基準」なのか、「経過」なのか「収入」なのかを、要求事項で必ず確認しなければなりません。

再保険

1つの会社が負いきれない大きな損害(大型火災、台風、航空機事故)は、再保険で分け合います。元受会社が保険料の一部を再保険会社に払い、損害が出たら、その比率の分、または一定金額を超える部分を、再保険会社が払います。比例方式(保険料と損害を同じ比率で分ける)と非比例方式(一定金額を超えた超過分だけを再保険会社が負担する)があります。ITには、「請求ごとに出再比率と回収予定額を計算して、再保険会社と突合せよ」として降りてきます。損害率も、出再前(gross)と出再後(net)で、別に見ます。

不正検知

保険不正は、損害率を静かに押し上げます。代表的なパターンは、加入直後の請求、特定の病院・整備工場に集中した高額請求、別々の契約なのに同じ受取口座・連絡先・住所を使う請求、短期間に多数加入したあとの請求です。ルールベースの検知は、こうしたパターンをスコア化して、調査組織(SIU)に依頼します。ルールは結論ではなく根拠で、不支払いの決定は、調査結果でだけ行います。顧客に、根拠なく「不正の疑い」を言うことは、それ自体が苦情と法的問題になります。

この業務がIT要求事項に降りてくる形

前の概念は、実際には、こうした文で届きます。何を問い返し、何を固定すべきかが、それぞれ違います。

「支払い遅延利息を自動計算してください」。問い返すことが3つあります。起算日が受付日なのか、書類がすべてそろった日なのか、利率が約款で固定なのか市場金利連動なのか、そして顧客の責めに帰す理由で遅れた期間を除くかです。最後の項目を尋ねなければ、あとで金額が合わないという異議が入ります。

「損害率ダッシュボードを商品・補償・チャネル別に」。期間の定義を固定するのが先で、ここにもう1つあります。補償別に分けると、分母をどう分けるかです。保険料は契約単位で受け取るのに、損害は補償単位で出るので、分子と分母の単位が違います。契約の保険料を補償別に配分するルールが会社ごとにあり、そのルールを知らずに作ると、数字がまるごと間違います。

「SIU依頼ルールを追加してください」。ルール自体より、判定履歴を残す構造が重要です。どのルールが何点をつけて、合計がいくつなので依頼したのかが残っていてはじめて、あとでルールを直すときに、何が変わるかを見られます。誤検知として調査したものの、正常で終わった案件も一緒に残してはじめて、ルールの精度を測れ、これを残さなければ、ルールは「入れてみたが、うまくいっているようだ」から、永遠に抜け出せません。

「未決案件の見積額を自動で計上してください」。これは、慎重に受ける必要があります。見積額は、損害率に直接入り、会計にも反映されます。自動計算は、初期値の提案までにとどめて、審査者が確定するようにするほうが安全で、自動値と確定値の差を指標にしておけば、その提案が使えるものかがわかります。

共通で1つだけ指摘します。この業務の数字は、大半があとで変わります。見積額が更新され、不支払いが異議で覆り、再保険の回収が遅れて入ってきます。そのため、集計表を作るときに、いつ基準で見た数字なのかを一緒に保存しなければならず、そうしなければ、先月報告した損害率を今日取り直したときに、違う値が出ることを説明できません。

実務で本当に大切なこと

1つ目に、受付日がすべての期限の基準です。受付日が誤って記録されると、支払期限・遅延利息・処理期間の統計が、すべて間違います。

2つ目に、未決案件は0ウォンではありません。見積額がなければ、損害率がよく見え、その錯覚は、次の四半期に一度に噴き出します。

3つ目に、集計の期間定義を、要求事項で固定してください。事故基準・報告基準、経過・収入は、別の数字です。

次のラボで、契約・請求データで商品・四半期別の損害率と合算比率を計算し、3つの不正パターンを見つけて、調査依頼リストを作ります。