TT Lab
はじめる
学ぶ 学習パス コース

開発者の起業 — 作る前に検証する

課題は顧客の過去の行動にある

TT Labで続きを見る

一言でいうと

顧客インタビューで信じてよいのは「やった」であり、信じてはいけないのは「やるつもり」と「いいですね」です。質問は、相手の最近の行動を具体的に尋ね、記録は、その問題を最後にいつ経験したか、いまお金や時間を使っているか、次のステップを約束したかで符号化します。そして、セグメントを選ぶときは、比率ではなく、標本サイズまで反映した区間を見ます。

なぜ必要なのか

開発者が起業すると、最初に作るのは製品で、最後に行うのが顧客との対話です。対話をするとしても、「こんなサービスがあれば、使いますか」と尋ねます。ほとんど全員が、「いいですね、使いそうです」と答えます。礼儀正しい人は、他人のアイデアを面と向かって貶しません。3か月後に出した製品には、その人たちは来ません。

ロブ・フィッツパトリックの著書『The Mom Test』(2013)は、この落とし穴を避けるルールを3つにまとめています。自分のアイデアではなく相手の生活を話題にし、未来についての一般論や意見ではなく過去の具体的な出来事を尋ね、自分が話す量を減らして聞くことです。この本は、また、褒め言葉ではなく、時間・評判・お金のように、対価がかかった約束を、本当のシグナルとして見るよう勧めています。

どう動くのか

質問の形が、答えの質を決めます。「この前、見積書を送ったのはいつでしたか。そのとき、何で作りましたか」は、事実を尋ねています。「見積書を作るのは不便ですよね」は誘導で、「自動で作ってくれたら使いますか」は仮定です。誘導・仮定の質問への答えは意見なので、問題の証拠としては使いません。記録を集めるときに、質問の形も一緒に書いておけば、後でふるい落とせます。

証拠を符号化します。このラボは、1つのインタビューを「証拠」として数える条件を、3つ置きます。

条件 記録 なぜ
過去の行動についての質問 question_style = past 意見ではなく事実
最近経験した 最後に経験してから30日以内 昔の不便は、いま解決する理由が弱い
対価を払っている いまお金を使っているか、パイロット・事前注文を約束している 言葉ではなく、行動で示された優先順位

基準値の30日は、このラボの例です。製品の使用サイクルに合わせて決めますが、決めたなら、すべてのインタビューに同じように適用します。

セグメントを選ぶとき: 比率と標本。10人のうち8人(80%)と、30人のうち21人(70%)では、どちらがより強いシグナルでしょうか。点推定だけを見れば前者ですが、10人は偶然に大きく左右されます。二項比率の信頼区間のうち、ウィルソンのスコア区間は、標本が小さいときもよく働くことを、Brown・Cai・DasGupta(2001, Statistical Science)が比較研究で示しました。このラボは、95%ウィルソン区間の下限で、セグメントを並べます。「少なくともこれだけはある」として比較するわけです。区間が広くて、基準(ここでは50%)をまたぐなら、結論の代わりに、インタビューを追加するというシグナルです。

記録の様式が、分析を決めます。インタビューが終わった後に、記憶に頼って要約すると、良かった言葉だけが残ります。そのため、対話の直後に、1行ずつ符号を付けます。どんな形の質問だったか、問題を話したか、最後に経験したのはいつか、いま何で解決していて、いくら使っているか、次のステップとして何を約束したか、です。この5つの欄が集まれば、インタビュー100件も表1枚になり、このラボのように、コードで数え直せます。符号を付ける人が2人なら、何件かを一緒に符号化して、基準が同じかどうかを先に合わせます。

現場での姿

間違いに気づく方法

次のラボですること

3つのセグメント90件余りのインタビュー記録で、質問の形が答えをどれだけ膨らませるかを測り、証拠の条件を関数にして、セグメントごとに数えます。お金と約束、褒め言葉を並べて数え、ウィルソン区間で順位を付け直して、最初の顧客層を選びます。採点ツールは、あなたの関数を揺さぶった記録でも、もう一度実行します。